ボゥイーは18歳という、ちょっとした長寿だったので、
それを知った方からよく聞かれました。
「長寿の秘けつは何ですか?」(^o^)
とはいえ、そんなものは全くなかったのです。(^_^;)
それまで、犬を最後まで飼った事のなかった私は
犬がどれぐらい生きるのか?という事すら知りませんでした。
ボゥイーを迎えた頃読んだ犬の雑誌には、
「パグは小型犬としては、身体が丈夫な方で、長寿である」とありました。
だから、漠然といつまでも一緒にいるように思っていました。
最近のように、いろんな情報も、知識もありませんでした。
フードだって限られた種類しかなかったら、ペットショップで聞いたメーカーのものを食べさせていました。
人間と同じものをたべさせてはいけないとか、
パグは暑さに弱いから、特に夏は気をつけるとか、
関節が弱いから、運動のし過ぎはよくないとか・・・
気をつけていた事といえば、その程度でしょうか。
そういえば「お水」だけは、常に浄水をあげていましたが
それも単純に、水道の水が臭くて、自分もそのままでは飲めないのに犬は人間よりも臭覚が優れているんだから、もっと臭いのでは?と思っただけでした(^^;)

ボゥイーが13歳頃、事情があり、私はボゥイーと離れて暮らしていました。
約1年後、再びボゥイーと一緒に暮らす事になった時、
再会したボゥイーはすっかり老け込んでいました。
なんだかぼーっとして、生気がないというか・・・
もう歳だからなのか?と思ったけれど
そのあまりの変わりように、すごいショックを受けました。
しかしその後、どんどんボゥイーは、昔のボゥイーに戻っていきました。
そりゃあ、顔も白くなってきて、目も見えにくく、耳も聞こえにくくはなっていましたが
友達も「毎日若返って行くみたいやなぁ」と笑う程。
離れて暮らしていた間、ボゥイーはほとんど留守番の毎日だったようです。
それが、彼にはストレスになっていたのかもしれません。
日に日に様子が変わって行き、前にも増して甘えるボゥイーを見て、 私は自分の事しか考えられず、ボゥイーに寂しい思いをさせてしまった事を後悔しました。
謝っても謝っても、謝り足りない。その気持ちは今も私の心の中に残っています。
そして、その時に誓った事。
二度とボゥイーと離れて暮らす事なんかしない!
最後まで絶対に一緒にいると・・・

介護生活の引き金になった、「急性胆管肝炎」は、発症時かなり厳しい症状でした。
一緒にいられるのも、もうそう長くはないかも・・・と 私の心の中に覚悟のようなものが芽生えました。 それでもボゥイーは頑張って、持ち直してくれました。
それは、もしかしたらボゥイーが、私がボゥイーに対して抱いていた贖罪のような気持ちを、許し、癒してくれる為だったのかもしれません。

そうして始まった介護生活は、病状は心配されましたが、発症時の状態から持ち直してからは、さほど深刻な状態でもありませんでした。もちろん、日々の様子には一喜一憂しましたが。
またボゥイーは、寝たきりにはなりましたが、痴呆症状は亡くなる間際まででなかったので、それはそれで楽しい毎日でした。
抱っこしてご飯を食べさせる、 薬を飲ませる。おむつやシーツを変え、蒸しタオルで拭いてやる。 日に何度か目薬をさし、耳や顔を拭き、体位交換をし、 時間があいたら抱っこする。病状に応じての通院。
「大変やね〜」とよく言われたけれど、 自分では大変だとは感じませんでした。 こちらの身体の調子が悪い時や、仕事が忙しい時などは おかまいなしに「あぅ〜っ」と呼びつけられるのが腹がたつ時もあったけど まるで赤ちゃんの世話をしているのと同じ毎日は どんどんあたりまえの日常となり、 いとおしさも今迄以上に増していきました。
少しずつ衰えていくのは分かったけれど、 夏頃も状態は落ち着いていたので、 このまま、まだ当分は一緒にいられるかも・・・?と思っていました。 まさかこんなに急に悪くなって、逝ってしまうとは思っていなかったので 夢と現実が入り交じったような変な気持ちです。

本当は最後は抱っこしていてあげたかったけど、 最後までできるだけの事はしてやりたかったので 病院を信頼して預けるという選択になりました。
その為、最後には間に合わなかったけど、 何よりもボゥイーが苦しまず、穏やかに最後を迎えたという事で 選択は間違ってはいなかったと思いました。

あの時ああしていれば・・・こうしてやれば・・・ と思いだすときりがないけれど 完璧な飼い主になれるはずもなく、(また何が完璧なのかも分からないし) 本当に穏やかで眠っているような ボゥイーの顔を見ると、 ダメ飼い主の私も、私なりにベストを尽くせたかな?と思いました。
不幸にも病気や事故で、若くで亡くなるワンちゃんも多い中、 こんなにも長く一緒にいられた私は、 ボゥイーからいろんなものを貰った気がします。
でも、あの離れて暮らした1年がなければ、ボゥイーはもうちょっと一緒にいてくれたんじゃないかなぁと、思ったりもしてしまいますが・・・(^^;)

長かったような、短かったような18年、
いっぱい食べて、いっぱい遊んで、いっぱい笑って、いっぱい怒られて、 いろんな事があったけれど、
ボゥイーも
「まぁ、そこそこ良い犬生やったなぁ〜」と思ってくれているでしょうか?
「おかあちゃん、楽しかったね、またね!!」と思ってくれたでしょうか?
きっとそう思ってくれたと信じたいと思います。

ボゥイー、18年も長生きしてくれて本当にありがとう!!
楽しい思い出をいっぱいありがとう!
いつも一緒にいてくれてありがとう!
おかあちゃんのいっぱいの「ありがとう」を持って
また会える日まで、 【虹の橋】で待っていてね。

手を尽くしてボゥイーを最後迄見守って下さった病院の先生方・スタッフの方々、励ましやお悔やみのメールやお電話をくださった方々、家に尋ねて来てくれた友達、
皆様ありがとうございました。
皆様のおかげで、私は今こうしてボゥイーの想い出を語る事が出来ます。
今一度全ての方にに感謝の意を表したいと思います。
そして、この地球上に暮らす人間と愛すべきパートナー達、 彼等すべてとその家族に、幸あらん事を祈ります。